~200g未満のドローンも適用~小型無人機等飛行禁止法とは?

小型無人機等飛行禁止法とは?

1 「小型無人機等飛行禁止法」って?

MavicMiniなどの200g未満のドローンでも航空法の適用を受けることはすでに述べてきました。
コラム〜MavicMiniも航空法の対象内〜

さらに航空法以外にも、小さなドローンも対象となる法律として「小型無人機等飛行禁止法」があります。

「小型無人機等飛行禁止法」は重量に関係なく、200g以上であっても200g未満であっても、全てのドローンが対象となります。
「人が乗らず、遠隔操縦や自動航行する航空機」が全て対象です。
マイクロドローン・模型航空機と呼ばれるものも対象です。ドローンの規制といえば航空法ばかりに目が行きがちですが、最近ではこの「小型無人機等飛行禁止法」の規制が増えてきています。ドローンを扱う人なら絶対知っておくべきこの法律。その内容に迫ります。

2 小型無人機等飛行禁止法の正式名称

この法律の正式名称はかなり長いですが、その正式名称を知るとこの法律の概要が見えてきます。正式名称は、
国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」です。
ただあまりにも長いので、一般的には「小型無人機等飛行禁止法」という言い方をしています。

この正式名称を読み返してみて下さい。国が指定する施設周辺の上空で小型無人機等の飛行を禁止した法律と言えるでしょう。過去には国会議事堂に放射性物質を搭載したドローンが落下したこともありました。だからこそ、重要施設の危険を未然に防止し安全を確保するために法律が作られました。

ただ、この「小型無人機」という言葉とそれに付随する「等」という言葉に注意が必要です。次の項目で確認していきましょう。

3 この法律で対象となるもの

(1)小型無人機

マイクロドローン

小型無人機は

❶無人航空機(ラジコン飛行機等)
無人滑空機、無人回転翼航空機(ドローン等)
❸無人飛行船 等

とされています。
航空法では200g以上のドローンしか該当しませんでしたが、この法律では
どんなに小さく軽いドローン(トイドローン、マイクロドローンも含めて)も該当します。

(2)特定航空用機器

パラグライダー

小型無人機は人が乗れないものでしたが、特定航空用機器は人が乗って飛行できるものになります。具体的には、

❶操縦装置を有する気球
❷パラグライダー
❸パラグライダー
❹回転する翼によって飛行することができるもの(現在は具体的に該当する物はありません)
❺ホバークラフト類

が対象です。

「人が乗れない小型無人機」と「人が乗って飛行でできる特定航空用機器」が同時に規制されている訳です。

4 制限される空域

①指定の施設の敷地(赤色区域)
②指定の施設の周辺およそ300mの地域の上空(青色区域)
の飛行が禁止されています。

小型無人機等飛行禁止法の飛行禁止エリア
では、どんな施設が指定されているかと言うと…

❶国の重要な施設
国会議事堂、内閣総理大臣官邸、内閣府などの省庁、最高裁判所、皇居・東宮御所、総務大臣指定の政党事務所などが含まれます。
❷対象外国公館等
現在までに恒常的に指定された施設はありません。必要に応じて随時指定され、特に外国から要人が来日した時などに指定されます。トランプ大統領が来日した時も複数施設が指定されました。
❸対象原子力事業所
原子力発電所や再処理事業所などが指定されています。
❹防衛関係施設
防衛省と自衛隊の駐屯地などが指定されています。

となっています。

東京の都心は指定されている地域がずらり並びます。
小型無人機等飛行禁止法対象地図

5 令和2年の改正

令和2年6月17日に小型無人機等飛行禁止法が改正されました。
新たに国土交通大臣の指定する空港が対象として追加されたのです。
令和元年秋に空港周辺のドローンの飛行が確認され、航空機の正常な運航に大きな障害が出た事件が続いたことに端を発します。航空法でも空港周辺でのドローンを制限していますが、罰則規定はあるものの、警察官がドローンに対して現場対応することが難しい状況にあります。

小型無人機等飛行禁止法は、警察官など(注1)が違反している操縦者に対して機器の退去などを命ずることができることを認めていますし、一定の場合には、当該小型無人機などの飛行の妨害、破損その他の必要な措置ができることも認めています。
注1)自衛隊に関わる区域では、自衛官が警察官と同様に命令や措置をできる場合があります。

このように航空機の運航に関わる障害に対して警察官などが直接関わることができるようにした、ことに大きな意味を持つと感じています。ただし、この改正はまだ施行されておらず、2年以内での施行が予定されていますので、空港の上空や周辺のこの法律での規制はもう少し先になります。

この改正が施行された後には、ドローン対策の電波銃や捕獲用ドローンが空港周辺に配備される日が来るのかもしれません。

6 罰則規定・許可

この法律に違反すると、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることがあります。

ただし、下記の場合は制限区域内でも飛行することができます。

・対象施設の管理者又はその同意を得た者による飛行
・土地の所有者等が当該土地の上空において行う飛行
・土地の所有者の同意を得た者が、同意を得た土地の上空において行う飛行
・国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行※ただし、対象防衛関係施設及び対象空港の敷地又は区域の上空においては、

・土地の所有者若しくは占有者が当該土地の上空において行う飛行
・国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
であっても、対象施設の管理者の同意が必要です。

しかし上記の場合であっても、対象となる区域で飛行する場合には飛行の48時間前までに警察署経由で都道府県公安委員会に通報する必要があります
ただ、
飛行場所が同一の都道府県内の2つ以上の警察署の管轄にわたるときは、そのいずれかの警察署を通じて当該都道府県公安委員会に通報すれば良いのですが、
飛行場所が2つ以上の都道府県にまたがる場合には、すべての都道府県公安委員会に通報を行う必要があります。

また、
③海域を含む場合に、管区海上保安本部長への通報も必要ですし、
④対象防衛施設の上空やその周辺で飛行する場合に、対象防衛施設の管理者への通報も必要です。
⑤令和2年改正が施行されると、対象空港上空や周辺で飛行する場合に、対象空港管理者に対しての通報も必要となってきます。

小型無人機等飛行禁止法は新しい法律ですが、対象施設は増加傾向にあります。
恒常的施設も増加していますし、サミットなど国外の要人が入国する場合に期間限定で指定される施設も多くなってきました。
また、対象として防衛施設を追加したことにより、通報の方法が非常に複雑になっています。

そして、何よりまだまだ社会的に認知されていない法律ですので、飛行が制限される空域の詳細を問い合わせるのにも多くの労力を使います。
私も説明しきれていない部分があるかもしれません。このような施設の上空や周辺で飛行される時は、皆さんご自身で管轄省庁である警察庁や防衛省などに確認をとっていただきますようにお願いします。

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