FISSを利用していますか?

FISSを利用していますか?

1 FISS(飛行情報共有機能)がスタートして1年が経過しました

ドローンを飛行させるにあたり、多くの人が「DIPS(ドローン情報基盤システム)」を利用しているようです。
DIPS画面
DIPSはネット上でドローン(正確にはドローンの中でも200g以上の無人航空機が対象)の飛行について、許可や承認を簡単に申請できるシステムです。
その「DIPS」に「飛行情報共有機能(FISS)」が追加されたことはご存知でしょうか?
これは、無人航空機の運航者や航空機の運航者とオンライン上で情報共有ができるものです。
このシステムがスタートした2019年4月23日の時点では任意の登録でしたが、
同年7月から
「飛行情報共有機能」への情報共有が義務化されました。

2 そもそも「飛行情報共有機能(FISS)」って?

有人のヘリと無人航空機のニアミスが起こるなどの事態を踏まえ、航空機及び無人航空機の運航者が飛行情報を共有できるシステムのオンラインサービスが開始されました。このサービスが「飛行情報共有機能」です。
そもそも、有人のヘリコプターの最低安全高度は密集地は300m、それ以外は150m以上を飛行することになっており、無人航空機の150m未満の飛行との住み分けが行われているのですが、離着陸時は150mよりも高度を下げることになり、ドクターヘリと無人航空機との衝突が懸念されてきました。
このシステムは、有人航空機や無人航空機の運航者が事前に飛行日時・経路・高度等の飛行計画情報をオンラインサービスに登録することで、オンライン上で情報共有ができるものです。
つまり、

(1)無人航空機の飛行予定エリアで、他の有人航空機や無人航空機の飛行予定がないか確認することができる
(2)無人航空機の飛行予定エリアで、自分の飛行予定を他の機体の操縦者に知らせることができる

というものです。
すでにサービスが開始されてから1年が経過し、日時を入力するエリア内の飛行予定を数多く見ることができます。

3 全ての飛行が義務とはならない

ただし、この情報登録の義務化について「許可・承認が必要な飛行」のみが対象となります。

つまり、対地高度150m以上の飛行や夜間飛行など
許可・承認が必要な飛行についてのみ飛行計画情報を登録することが求められる
ということです。

ただし、2019年7月26日以降の申請分については対象となりますが、同年7月25日までに申請した分については対象外だそうです。
申請の期間は最大で1年間ですので、2020年の夏に許可承認の期限が切れるまで情報登録の義務は無い人が存在する訳です。

2020年の夏には許可・承認が必要な飛行をする人全てに登録の義務が等しくかかることになります。

4 飛行情報共有機能の使い方

(1)DIPS(ドローン情報基盤システム)のサイトに移動

https://www.dips.mlit.go.jp/portal/

(2)「飛行情報共有機能」へのリンクを選択

こちらのURLからでもページに移動できます。
https://www.fiss.mlit.go.jp/top

 

(3)「飛行情報共有機能」のページに移動できたら、アカウント開設をする

「飛行情報共有機能」ページのTOP画面です。
「初めての方はアカウントの開設を行ってください。」の下の『開設』を選択します。
FISSオープニング画面

するとこのような画面が出てきます。
アカウント開設画面
Eメールとパスワードを入力する画面が出てきますので、入力して、「登録」を選択します。
登録したメールアドレスに「ドローン情報基盤システム(飛行情報共有)仮登録通知」のメールが届きますので、リンクをクリックします。
名前や連絡先等を入力する画面が表示されるので、入力し、右下の「登録」をクリックして、アカウントの開設は終了です。

ここで、気をつけなくてはならない点が1つあります。
それは、このFISSのシステムは基本的には操縦者の名前や機体の種類などの個人情報が外部に公表されることはないのですが、
操縦者のEメールアドレスについては公表される前提で登録しておく必要があるということです。

2つ以上の飛行が同時刻に接近している時、
飛行計画を登録しようとしている人に、先に登録されている飛行の操縦者のEメールアドレスが表示されます。
これはおそらく、Eメールを使って当事者間で調整ができるように作られたシステムだと思いますが、アドレスが公開されることは理解しておいた方が良いと思います。

※追加機能
ログインにDIPSのアカウントを利用できるようになりました。
すでにDIPSを利用している人は、新たにアカウントを登録しなくても簡単にログインできます。
先ほどのランディングページの「ログイン」を選択します。
FISSランディング画面
そうすると、以下のような画面が表示されるので、「DIPSのIDでログインはこちら」を選択します。
ログイン画面
DIPSのIDとパスワードの入力画面が出てくるので、「同意して連携」を選択すると、DIPSのIDでログインできます。

(4)アカウントを開設をしたらログイン

「ログイン」を選択してログインします。
FISSランディング画面
7つのメニュー画面となります。
FISSメニュー画面

(5)機体情報を登録(飛行許可申請で機体登録をしている人は機体連携が可能)


次に自分が飛行させる機体を登録します。
機体情報
「新規登録」を選択して、機体の情報を入力して下さい。

※DIPSを利用している人は、DIPSで登録している機体情報をそのまま反映することができます。
その場合は、「機体連携」を選択して下さい。
機体連携
DIPSで登録している全ての機体がFISSで登録されます。

(6)飛行計画の参照


自分の飛行を登録する前に、他の操縦者の飛行計画を参照するのが良いと思います。
メニュー画面の「飛行計画の参照」を選択します。
飛行計画参照
すると、地図が表示されます。
飛行計画参照地図
左上の「抽出期間」を設定して、「抽出」を選択します。
FISS飛行情報参照地図反映
すると、すでに登録されている飛行の情報が表示されます。

また、紙飛行機のようなマークをクリックすると、個別の飛行情報の詳細が表示されます。
1 高度 2 緯度 3 経度 4 飛行時間の4項目となっています。
飛行情報共有機能飛行情報2
個人情報や機体の種類などは表示されないことが分かります。
さらに地図を拡大してくと、
飛行範囲を確認することができます。
飛行情報共有機能登録情報

(7)飛行計画の登録

他の操縦者の飛行を確認できたら、いよいよ自分の飛行計画を登録しましょう。
まずはメニュー画面で「飛行計画の登録」を選択します。
飛行計画登録
すると以下の画面が表示されます。
飛行計画登録地図
左上の + を選択して登録に進みます。
描画モードの選択
まずは描画モードを選択しましょう。
❶二重丸→半径を指定して円状に範囲を指定
❷曲線→通過する地点を複数指定して飛行範囲を指定
❸多角形→飛行範囲の頂点を指定して飛行範囲を指定

今回は円状に範囲指定することとします。
するとこのような円(オレンジ円)が現れます。
この飛行範囲だと道路を複数またぎ、色々と問題がありそうですが、仮にこの飛行範囲で設定することとします。
飛行登録円状描画
※この円の範囲を移動するためには、中心点(赤矢印)を動かして下さい。
※青い円は他の操縦者が登録した飛行範囲です。飛行範囲が近接しているので、右上に(青矢印)他の操縦者のメールアドレスが表示されています。

この後、自分の飛行の情報について登録をしていきます。
飛行情報入力画面
飛行情報の登録
❶ 飛行範囲(この場合半径)
❷ 高度
❸ 日時
❹ 期間
❺ 操縦者、操縦する機体
❻ ルール
を入力(選択)し、右下の「飛行状況へ」を選択します。
(注)機体を選択しないと「飛行状況へ」を選択できません。

すると以下のウインドウが表示されます。
飛行状況ウインドウ
「違反している可能性のあるルール」をクリックして確認をします。
飛行状況の確認
違反している可能性のあるルールが表示されますが、全ての項目において許可承認を得ているのなら飛行ができますので、
一番下の「飛行計画の登録」を選択して、終了となります。

日本全国を一日中飛行する登録をしてしまっている人がいる、という話を耳にします。
事実かは分かりませんが、もし事実ならお互いに気をつけていきたいものです。
一度登録した飛行は削除することもできます。

「まだまだ使いづらい」という声も多く聞かれますが、
「皆で使っていくことでより使いやすいものになっていく」ということもありますので、
利用率が上がることを願うばかりです。

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